12729

琴子の心〜keep silent night〜

harua

小説

作品ID12729
価格308円(税込)
発売日2009-01-20
容量50KB
ファイル形式zip

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作品詳細

コミック「イタズラなKiss」の2次創作小説です。

投稿作品、「直樹の心 weak side」(15巻入江くん読解)のおもいっきり番外編です。
ほか、投稿作品「直樹の心配」(21巻入江くん読解)の番外編あり。
神戸から帰ってきた夜、入江家のドンちゃん騒ぎの合間のラブラブなふたりをお楽しみいただけます。注意!18歳以上の方のみ、反転してお読みください。

どちらも、前作を読んでいなくても、そのままお読みいただくことは可能です。


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琴子の心〜keep silent night〜



(序)

やめて!

やめて!

こないで!

さわらないで!

あたしを、ひとりにして!!



もう。

なにも。

考えたくないの!

お願い!!



(1)


きのう、あたしは。

森の中で。

啓太に、抱きしめられた。

あたしが。

入江くんと喧嘩して。

ひとり、森の中へかけていって。

・・・なのに。

そんなあたしを。

追って来たのは。

入江くんではなく。

・・・啓太。



どうして?

啓太は、そんなにやさしいの。

なんで?

あたしのこと、そんなに気にかけてくれるの。

ダンナである、入江くんすら。

あたしのこと、そんなに心配なんかしてくれないっていうのに。



さみしかった。

木の幹にすがってひとり泣きじゃくってたあたしを、

うしろから抱きしめてくれた、啓太。

あたしは。

誰かに、すがりたかった。

そんな気持ち、すこし、あたしの中にあった。

だけど。

いざ、そうされてみると。

あたしの中で。

なにか、違う。

なにかが、違う。

無性に、そう思えて。



あたしが、抱きしめて欲しいのは・・・。

入江くん。

いつだって。

あたしは。

入江くんの温もりを。

そばで感じていなければ。

・・・元気なんかじゃいられない。



いつだって。

あたしは。

入江くんの姿を見ていなければ。

さみしくて。

死んでしまいそう。



だから。

あたしは、いくら入江くんに冷たくされても。

あたしは。

入江くんのそばに、居たい。



・・・いつだって。

そう、思っていたのに。

なのに。



(2)

おれは、琴子を抱きしめた。

ひとり泣きじゃくるコイツが、無性に愛しくて。

おれは。

なにもしないでこの場に佇むのがやりきれなくて。

いつのまにか。

琴子を、後ろから、抱きしめてた。



「・・・関係ないなんて、いうな。

あんなヤツ、やめちまえよ。」



思わず、琴子に囁いてた。

琴子は、硬直してた身体を急に震わせて。



「あっははっはっ、やだなぁ、もお、啓太ったら!

冗談きついよぉー。」



そう言いながら、おれに振り返った。

けど。

涙目のコイツは、無理にカラ元気なのはまるわかりだった。



おれは。

・・・なにかに弾かれたかのように。

琴子に、

・・・キスしてた。







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出展者情報
  • harua
  • http://www.geocities.jp/kiss_note/

  • 作者急逝で残念ながら未完となった漫画「イタズラなKiss」が大好きなharuaが、愛情をもって書き綴りました。
    好評を博して惜しまれながら公開終了し、いまや幻となった小説が、SURPARAで復活いたしました。

    サイトにて無料作品を多数公開し、番外編や続編を有料にて販売しています。

    「イタズラなKiss note」http://www.geocities.jp/kiss_note/